SPICA art Closing NIGHT

DSCF1611.JPG<SPICA art 6月28日>
若尾伊佐子(ダンサー)×福井香菜子(音楽)
SPICA art クロージングイベントの感想です。
ロウソクが灯された炎は生命を感じる。
今年の聖火リレーで、
聖火を消す映像は、
かなり衝撃的だった。
あの世では、
生きている人間の蝋燭の火がついていて、
消えると死を表すのは、上手い表現だ。
灯火には、生命を感じる。

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小さいスペースで行う、身体表現を見に行くと、
パフォーマンスを見に行くというよりも、
作品空間の一部に自分がなったような気になる。
パフォーマーの動作が観客である自分と
無関係ではない、という感覚。
逆に、パフォーマーは、
その場をつくる部分にしかすぎない。
意外とパフォーマーはオーケストラの指揮者のようなもので、
演奏者は、観客の方かもしれない。
つまらないと思っても、
パフォーマーの全責任ではないし、
強烈な瞬間はパフォーマーだけのものではなく、
観客を含めたみんなのものだ。
<クボザイク>
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今回、若尾さんと福井さんのパフォーマンスは、
想像以上に熱演で、多くの素材を出してくれていた。
入場料無料なのに、出し惜しみない太っ腹のパフォーマンス!
時間にして45分ぐらいの共演だった。
時には、競演になり、時には、共演になる。
DSCF1601(1).JPG
福井さんは、若尾さんから離れ、様々な道具で
音を奏でる。
排水のチューブを振り回して、ブオンブオンと奏でたり、
ビー玉を落としたり。
若尾さんも、音に乗せたり、離れたりする。
どちらがイニシアチブを持つと言うものでもなく、
あるときは、若尾さんの表現に福井さんが乗せたり、
逆に、福井さんの音に若尾さんが反応したりする。
またあるときは、それぞれ関係なく表現する。
若尾さんに関しては、
前回見たキッドアイラックホールでの公演よりも
身体の全部分に神経がいっている印象。
キッドの時には、「目の表現がすごい」と感じた。
身体表現を見るときには、どうしても、指先から
筋肉の入れ方などを気にするのだけど、
若尾さんは、「目でも表現しているなー」という印象を
強く持った。
今回のスピカでは、全身に神経を使っている、
という印象であった。
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特に、手の表現は、もう一度、注目してみたいと思う。
このときの若尾さんの表現は、
どこかに集中させる表現ではなかった。
パフォーマーは、意識的にどこか、中心になる部分があるのだが
それを作らずに、足先から髪の先にまで神経を尖らせ、
見ている僕に、中心を持たせなかった。
強いて言えば、パフォーマーの外に中心のようなものがあった。
会場にフワフワ浮いていて、福井さんが音の調子を変えると、
さーっと移動するのである。
これは、観客がフワフワと中心を浮かしているようにも感じる。
おそらく観客の集中が途切れたら、ドスンとおちただろう。
この時のお客は、45分間最後まで、集中力を切らずにいた。
また、照明が薄暗い蝋燭の光で、
ぼわーとパフォーマーを浮かび上がらせているからそのような
効果があったのかもしれない。
それにしても、
パフォーマンスの中心が会場の空間をフワフワ浮いているのは、
初めての体験でだった。
自然を導く-ベニス日本館 再生プロジェクト
開発好明 6.13(Fri)-6.28(Sat)
SPICA art
Closing NIGHT 6.28(Sat) 19:30~21:00
19:30~  若尾伊佐子(ダンサー)×福井香菜子(音楽)
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